だが、可能性はゼロだと感じながらも、完全に否定することも出来ず、こうして博物館を見て回ったわけだが、予想通り「やはり」といった結果だった。

　とりあえず、博物館には行ったので、これで母ブルマも納得するだろう。

　そう思いながら、トランクスは右手首の腕時計を、チラリと見た。

　時刻はもう、午後二時を過ぎている。

　さて、これからどうするか――。

　考えようとしたところで、ふと空腹感を感じ

「お腹空きませんか？」

　佳奈に尋ねると、佳奈も空腹を感じていたらしく「はい……」眉を下げ微笑んだ。

「母さんから、昼食は外で食べて来るように言われましたし、どこか食べに行きましょうか」

　トランクスはそう言ってから、カプセルを投げた。

　存在を知ったばかりの「ホイポイカプセル」。

　その夢のアイテムに、佳奈はまだ慣れず、カプセルから放たれる白い煙と音に、無意識に後退した。

　少しして、赤い車体が姿を見せると、トランクスは

「乗って下さい」

　そう言って、爽やかな笑顔を佳奈へと向けた。



　
（困ったな……）

　ハンドルを握るトランクスの手に、僅かに力が入った。

　何せ、女の子と食事に行くなど初めてのことで、どういった店に入ればいいのかよく分からない。

「何か、食べたい物はありますか？」

　佳奈に聞いてみるも、遠慮があるらしく「何でもいいです」という、一番困る答えが返ってきた。

　悩むトランクスだったが、エアカーを走らせていると、ふと、レストランの看板が目に入った。