エアカーの車内は、佳奈がこれまで乗ってきた自動車と何ら変わりはなかった。

　ただ、浮いているため、道路の状態が伝わってこないので、乗り心地はタイヤがある自動車に比べると、断然快適に思えた。

　遊園地のアトラクションに乗っているような、エアカーの浮遊感を楽しみながら、佳奈は、窓の外の流れる景色を見つめていた。

　自分のいた地球とは、明らかに違う整った街並み。

　そこに感動しつつも、どこか違和感を覚え

（……何だろ……？）

　ぼんやり思っていると

「もうすぐ着きますよ」

　運転席のトランクスから、明るい声がした。

　

　四角い真っ白な建物は、太陽の光を反射し、キラキラと輝いている。

　エアカーから下りた二人は、早速博物館の中へ入り、ブルマの言う「佳奈の地球の痕跡」を求め、館内を歩きはじめた。

　博物館は、地下三階、地上二階の五階建てで、この地球という星の成り立ちから、人類の進化、地球の自然、そして、科学技術の進化が常設展示となっていた。

　自分のいた地球と、ほぼ変わらない展示内容に驚きつつ、佳奈は、むかし学校の遠足で行った博物館を思い出し、懐かしい気持ちで館内を歩いていた。

　一方、そんな佳奈とは違い、初めて博物館という場所を訪れたトランクスは、興味深げに展示物を見つめ、地球という星や、この星に生きる生物の進化に、改めて感動していた。

　感慨深げに、展示物を見つめているトランクスに気付いた佳奈は、そんなトランクスを不思議に思った。