「そう！　よかったわー。人に料理なんて振舞ったことがないから、ちょっと不安だったのよー」

　ブルマが、あまり不安さを感じられない、軽い口調でそう言うと

「母さんの料理の腕はかなり上達したから、大丈夫だよ」

　トランクスが、心配ないといったふうに声をかけた。

　すると

「やっぱりそう思う？　私って、やれば何でも上手く出来ちゃうのよね～」

　ブルマは自賛し

「うん。母さんは料理の天才にもなれるかもね」

　トランクスは冗談めいた言葉を返した。



　そろそろ、夕食を食べ終わろうかという頃

「佳奈ちゃん。ちょっと、話しがあるの」

　タイミングを見計らっていたように、ブルマがそう言って、話しを切り出した。

　さっきまでの、軽い口調ではなく、神妙さを含んだブルマの声に、佳奈は表情を少し強張らせた。

　……話しって何だろう？

　正面に座るブルマを、佳奈が緊張の面持ちで見つめると

「佳奈ちゃん。この世界から、また別の世界へ行くなんてこと……もし、出来るとしたら、行ってみたい？」

　意味の解らないことを聞かれ、佳奈は、ただパチパチと目を瞬かせた。

　頭の中に、大きな「？」を浮かべている佳奈に

「て、いきなり言われても、何のことか解らないわよね」

　ブルマは苦笑すると、佳奈にタイムマシンのこと。

　そして、この世界とは別にある、並行世界の話し。

　それから、その並行世界にある、ドラゴンボールのことを、佳奈に話し始めた。