トランクスに連れられ、ダイニングへと向かいながら、佳奈はこの家に来た時から思っていたことを改めて実感していた。

　それは、この家がとても広いということだ。

　最初に通された場所も「研究室」なんていう普通の家にはないだろう部屋であったし、自分が使わせてもらうことになった部屋も、ブルマが「ゲストルーム」だと言っていた。

　もしかして、すごくお金持ち……？
　それとも、この世界じゃ「研究室」とか「ゲストルーム」がある家が普通なのかな？

　いくつもの部屋の前を通る度に、佳奈は視線を動かし、この部屋はどんな部屋なんだろうと、想像しながら歩いた。

　そんなふうに、この家に興味をそそられながら歩いていると、美味しそうな匂いが前方から流れてきて

「あそこがダイニングです」

　少し先に見える、電気の点いた部屋を、トランクスが指差した。



　ダイニングに入ると
　
「あ、来たわね」

　対面式のキッチンから、ブルマが笑顔を向けた。

「お腹空いたでしょ？　ほら、佳奈ちゃんは座って。トランクス、悪いけど、飲み物出してくれる？」

「うん」

　キッチンへと入って行く、トランクスを見送り、佳奈はテーブルの方に視線を向けた。

　テーブルには、サラダにチキン、フライの盛り合わせにフルーツなど、まるでクリスマスを思わせる、豪華な食事が並んでいる。

　テーブルの上の料理に圧倒され、佳奈が立ち尽くしていると

「席は決まってないから、どこでも好きなところに座ってちょうだい」