「ええ、平気よ」
「はい」

　親子は揃って、キョトンとした顔で頷いた。

　まぁ「異世界」から来たという人間を、こんなにすんなりと受け入れてる自分たちを、佳奈が不思議に思うのは当然だろう。

　ブルマは、佳奈の持った疑問に

「私たちね、ちょっと変わった体験をいくつもしてきたの。だから、佳奈ちゃんみたいに、異世界の子が現われたくらい何てことないのよ」

　ブルマは、自分たちがある程度……どころではない、不思議な体験をしていて、免疫があることを匂わせた。

　そんなブルマの言葉と、自分に対しての親子の態度から、佳奈は

「そ、そうなんですね……」

　と納得しつつも

「異世界の人間に会う」以外に、不思議なことって何だろう……？

　首を傾げた。

　ただ、この親子に出会えた自分は、ラッキーなのかもしれない……。そう思っていると

「じゃあ、とりあえず、佳奈ちゃん。部屋に案内するわ」

　ブルマが、当然の流れだとでもいうように、佳奈に笑顔を向けた。

「えっ？！」

　驚く佳奈に

「残念だけど、すぐに佳奈ちゃんの世界に帰る方法は見つからないと思うの……。だから、帰る方法が見つかるまでは、ウチにいるといいわ」

　ブルマは眉を下げ、弱い笑みを浮かべながら

「いいわよね、トランクス？」

　息子の顔を窺った。

　すると

「ええ。いいですよ」

　トランクスも、母親の提案に賛成だというふうに、にこりと微笑んだ。