そんな、自分たち親子の会話を、佳奈が暗い顔ではなく、キョトンとした顔で聞いてることに気付いたブルマは、密かにホッとした息を吐いてから

「ねぇ、佳奈ちゃん。ここに来るまでに、トランクスが佳奈ちゃんに何か変なことしなかった？」

　声を潜め、わざとらしく尋ねた。

「な、何もしてないに決まってるだろ！」

　何を聞いているんだとばかりに、顔を赤くするトランクスに、ブルマは疑うような目を向けると

「あんたは何もしてないと思ってても、佳奈ちゃんからしてみれば『何かされた』になるかもしれないでしょ！」

　我が子には、脅すような言葉を投げかけ

「佳奈ちゃん、もし何かされたんだったら、ちゃんと謝らせるから、言ってちょうだいね」

　佳奈には、優しい言葉をかけた。

　呆気に取られ、ただ「は、はい」と答える自分の前で

「だから、何もしてないよ……！」

「だって、あんた女の子に慣れてないから心配なんだもの」

「心配しなくても大丈夫だから！」

　そう言い合う親子を見て、佳奈は、ここが本当に「異世界」という場所なのか信じられない程、この親子に対して、安心感を抱き始めていた。

　そして、会った時から思っていたのだが……「異世界」から来たらしい自分を、すんなりと受け入れているこの親子を不思議に思い

「あ、あの。私のこと、平気なんですか……？」

　思わず尋ねると、綺麗な青い髪をした親子は、一瞬キョトンとした顔をしてから