覗き込んだ画面には地図が映し出されていた。

　ブルマの横に立ち、じっと画面を見つめる佳奈に

「これ、この世界の地図なんだけど、もしかして、あなたのいたところの地図とは違うんじゃない？」

　敢えてだろう。穏やかな口調で尋ねるブルマの質問に、佳奈は驚いたように目を見開いたまま、ゆっくりと頷いた。

　それを見ていたトランクスは

「……やはり、そうですか」

　嫌な予感が当たったとばかりに声を低くし、ブルマも「やっぱりね……」そう言って、こめかみを抑えた。

　しばらく、絶望を纏った沈黙が流れたが、それを破ったのは

「あの……！　本当に、これが世界地図なんですか？！　嘘ですよね？！」

　という、佳奈の悲痛な叫びだった。

　泣きそうな顔で、自分を見る佳奈に

「信じられないのは分かるわ。私たちだって、信じられないもの……。でも、ここは、あなたが住んでいたところとは、違う世界みたい……」

　ブルマ自身困惑しながらも、佳奈を慰めるように、優しく語りかけた。

　しかし、当然ながら、こんな現実を受け入れられるはずもなく、佳奈は力が抜けたように、そのまま床に座り込んでしまった。

「ちょっと、大丈夫？！」

　呆然としたまま、座り込む佳奈に

「佳奈ちゃん。あなたがどうやって、ここの世界に来たのか分からないけど……帰る方法を一緒に探しましょ！」

　ブルマは「大丈夫」と励ますように、佳奈の肩に手を添えた。