「ただいま」

　研究室のドアが開くと同時に聞こえてきた声に

「おかえり、トランクス……！」
　
　見ていたパソコン画面から、顔を上げたブルマは、息子の後ろに立つ少女の姿を見て、思わず椅子から立ち上がった。

　驚いているブルマに

「母さん、実は、相談したいことがあるんだ……」

　そう言いながら、研究室に入ってきたトランクスと少女に

「そ、相談？！」

　ブルマが目を瞬かせていると、トランクスの後ろに立つ少女は、ペコリと頭を下げた。


　
「えーっと。トーキョー……。シブヤ……。ケイオーセン……」

　トランクスが連れて来た、夢野佳奈と名乗る少女が言う、地名と路線を、ブルマはパソコンで検索した。

　だが、どれもヒットせず

「ダメだわ。やっぱり、どれも引っ掛からないわね……」

　眉間に皺を寄せるブルマに、少女は「そんな……」と、絶望の声を漏らした。

「ねぇ、他の場所も探してみるから、どこでもいいから、あなたの知ってる地名を言ってみて」

　ブルマが佳奈に言うと、佳奈は期待を込めるように、違う地名をブルマに伝えた。

　だが、やはり、どの地名、どの名称を検索してもヒットせず、ある可能性を見出したブルマは、佳奈にあるモノを見せることにした。

「ねぇ、佳奈ちゃん。ちょっと、コレを見て欲しいんだけど……」

　そう言って、パソコンの画面を指すブルマに、佳奈は座っていた椅子から立ち上がると、ブルマが見ていた画面を覗き込んだ。