ベッドに腰かけるトランクスは

「ダメージはそれなりに受けていたんですが……」

　自分の身体を見回しながら、首を傾げた。

　確かに、ここに来た時に意識を失っていたくらいだ。

　かなりのダメージを受けていたに違いない。

　だが、この部屋に運び、ブルマが手当をした時には、深い傷も出血などもしていなかった。

　別の世界から来たトランクス同様、不思議そうにしていたブルマだったが

「ま、とにかく目を覚ましてくれてよかったわ！」

　生来の楽観的な性格が現れ、その不思議を深く追求しようとはしなかった。

　そんなブルマの楽観さに押されるように「え、ええ……」と応えながらも、腑に落ちないという顔をするもう一人の自分を見て、トランクスが密かに苦笑いを浮かべていると

「ねぇ、お腹は減ってない？　そろそろ夕食にしようと思ってたところなんだけど、食べれそう？」
　
　母ブルマが、もう一人の自分を夕食に誘った。

　その誘いに

「そ、そうですね……。減ってはいるんですが……」

　トランクスが言葉を濁すと、その意味を察したように「あ、あの」と、佳奈が遠慮がちに会話に入ってきた。

　ずっと黙っていた佳奈の声を聞いて、三人が一斉に佳奈の方見ると、佳奈は少したじろぎながら

「夕食をこちらに運びましょうか？」

　そう提案した。

　すると、ベッドに腰かけるトランクスは、申し訳なさそうに眉を下げ

「そうしてもらえると、助かります」