気のせいかと首を傾げたが、やはり気になり、ドアを開けて隣室へ足を踏み入れると、ベッドから出る際にバランスを崩したのか、床にうずくまる男の姿があった。

「大丈夫ですか？！」

　佳奈が慌てて駆け寄ると

「？！　だ、大丈夫です……」　

　答える声も、驚いた顔も。トランクスと同じ人間がそこにいた。

　トランクスを支え、ベッドに座らせた佳奈は、俯くトランクスの横顔をそっと見つめ、同じ人間が二人いるという、この不可思議な状況に、改めて呆然としていた。

　が、ハッと我に返ると

「そ、そうだ！　ブルマさんを呼んで来ますね！」

　そう言って、ブルマがいるリビングへと急いだのだった。

　佳奈に呼ばれ、目覚めたトランクスの元へやって来たブルマとトランクスは、ベッドに腰かける人物を見て、一先ず安堵の表情を浮かべた。

　そして、ベッドに腰かけていたトランクスも、部屋に入って来た人物たちを見るなり

「よ、よかった……。無事着いたんだ……！」

　安堵の表情を浮かべた。

　そんなトランクスに

「よかった。って……一体何があったの？」

　ブルマが眉根を寄せ尋ねると、ベッドの上のトランクスは表情を曇らせながら

「そ、そうですよね……。じ、実は……」

　事の次第を話しはじめた。



　タイムマシンに乗ってやって来たトランクスの話しでは、人造人間１７号と１８号を倒した報告に、過去の世界へ行こうとした際、突然得体の知れない化け物に襲われたということだった。