何か、緊急事態が起きたであろう二人のようすに、佳奈がブルマたちの方へ駆け寄り

「何かあったんですか……？！」

　尋ねると、ブルマとトランクスは立ち止まるなり、答えに窮するといったふうに目を合わせ

「私たちにもよく解らないのよ……」

　そう答えてから、トランクスが肩を抱える人物へ、そっと視線を向けた。

　そのブルマの視線につられ、視線を移した佳奈は、トランクスが抱えている人物を見た途端、息を呑んだ。

　意識を失っているらしく、ぐったりとしてはいるが、その容姿はどこをどう見ても、トランクスと瓜二つだ。

　ただ、服装は普通の服とは違い、プロテクターのような装備と、アスリートが着用するような、青色のサポートウェアを着用している。

　だが、そのプロテクターもサポートウェアも、破損したり切り裂かれた後があり、この人物が、事件か事故に巻き込まれたであろうことが想像出来た。

　突如として現れた、もう一人のトランクスに、自分たち同様、困惑している佳奈に

「とりあえず、怪我もしているみたいだし、部屋に連れて行くわ」

　救急箱を持つブルマは、そう声をかけると、止めていた足を進め、佳奈の部屋の一つ手前にある隣室へと入って行った。

　ブルマたちの後に続き、部屋へ入った佳奈は、改めて、ベッドに寝かされた人物を、窺うようにじっと見つめた。

　やはり、その顔は隣りに立つトランクスと瓜二つで、この不思議過ぎる状況に困惑していると