でも、周りから見れば姉弟みたいに見えるから、よく間違われるけど……。

　でも俺たちは気にしてない。　

　そうだよ。

「愛」があれば、歳の差なんて関係ない。

　って、前にママがテレビを見ながらそう言ってた。

　でも、その通りだと思う。

　俺はアキが大好きだし、アキも俺のことが好きだ。

　まぁ、俺がガキじゃないから、年上のアキと上手く付き合えてるんだけどさ。



「観覧車に乗ると空が近いね」

「そうだな。でも、飛んだ方がもっと近いぜ！」

「ふふっ！　そうだね。いいな、トランクスは飛べて」

「空なら、いつでも連れて行ってやるよ」

「ありがと」

　でも、そう言って微笑むアキは、やっぱり年上だった。

　俺の知らないこととかもいっぱい知ってて……。それが、ちょっと悔しい。

　た、例えば……キ、キスとか……。

　俺はいつまでも緊張してるのに、アキは余裕そうなんだよな。

　それが、すごく悔しい……。

「キスして」って言うのも、いつもアキからだし……！

「経験」ってヤツが足らないから、俺、全然カッコつけれないんだよなー……。

　キスが上手くなりたいからって、練習も出来ないし……。

　アキ以外の女の子とキスとか有り得ないしな！

　でも……。でも、いつか絶対アキが顔を真っ赤にするくらいの、すごいキスをしてやる！

　俺はゆっくり動く観覧車の中で、そう密かに決意すると、アキの唇を見つめたんだ。