俺の家庭教師の先生が怪我をしたらしい。

　だから先生の怪我が治るまで、違う先生が代わりに来ることになったんだけど……。

　その先生が、すごく可愛くて……。

　俺、一目見てその先生のことが好きになっちゃったんだ。



「うん、そう。さっきの公式に当てはめて……。そう、正解！」

　怪我をした先生の代わりに来た先生はアキという名前だった。

　西の都の大学に通っていて、アルバイトで家庭教師を始めたらしい。

　でも、やっぱり始めたばっかりだから教え方は……イマイチって言うか……。

　やっぱりいつもの先生の方が上手だ。

　ママが「新人の先生らしいけど。ま、大丈夫でしょ！」って言ってたけど……。ホントに大丈夫かな……。

　先生が答え合わせをしている間、そんなことを思ってると

「それじゃあ、トランクス君。次はこの問題やってみようか！」

　ニコリと向けられた笑顔に、ドキリとした。

　っ！　カワイイ……！！

　そんなことを思って固まってると

「トランクス君？　どうしたの？」

　次は顔を覗き込まれて、一瞬で体がすごく熱くなった。

　ドキドキするのを隠しながら

「な、何でもナイデス！」

　大きな声を出すと、俺は言われた問題を解き始めた。

　でも、体は熱いままで、全然問題に集中出来なかった。


　
　アキ先生は週に三回ウチに来た。

　先生が来る日は楽しみで嬉しくて。学校が終わったら飛んで家に帰った。

　だって好きな人にはすぐに会いたい。

　そーいうもんだろ？

　それに、今日は決めたことがあったんだ。