解放(アキ様リクエスト)
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時計を見ると、針は夜の九時をとっくに過ぎていた。
フロアに残っているのはもう私だけで、明日の会議に使う資料を印刷するコピー機の音だけが響いている。
そう言えば、偶然社内で出会って告白して、トランクスと付き合いだしたのも、こんな日だったっけ……。
ぼんやり思っていると、ピピピピッ! と用紙補充を知らせるアラームが鳴り、しゃがんで用紙の補充をし始めると、ポトッ。と手の甲に雫が落ちた。
照明もほとんど落ちた静かすぎるオフィスで、全ての人から見放されたような孤独を感じ、落ちた雫だった。
用紙をコピー機にセットしても、私はしゃがんだまま涙を流し続けた。
止めようなんて思わなかった。
流し続ければ、自分の中で燻ぶっているモノが洗い流せる。そう思った。
どれくらい泣いていただろう。
多分、数分という短い時間だったけど、気持ちは随分楽になった。
そのまま資料作りの作業を続け、終わった時に
「もう……ダメ……」
言葉が漏れた。
今夜はあの日のように、彼は現れない。
もし、現れてくれたら私の気持は変わっていたかもしれない。
でも、やっぱり現れてはくれない。
私は会社を出ると、すぐに携帯電話を取り出しトランクスに電話した。
数回コールが鳴った後、留守番電話に切り替わると、私はそこに別れのメッセージを残した。
「私と仕事、どっちが大事なの?!」
そんな馬鹿みたいなことを問い質すことはプライドが許さなかったから、その前に別れの言葉を言えてよかったと思う。
そしてこの夜、私は私の憧れた夢の時間から解放された。
フロアに残っているのはもう私だけで、明日の会議に使う資料を印刷するコピー機の音だけが響いている。
そう言えば、偶然社内で出会って告白して、トランクスと付き合いだしたのも、こんな日だったっけ……。
ぼんやり思っていると、ピピピピッ! と用紙補充を知らせるアラームが鳴り、しゃがんで用紙の補充をし始めると、ポトッ。と手の甲に雫が落ちた。
照明もほとんど落ちた静かすぎるオフィスで、全ての人から見放されたような孤独を感じ、落ちた雫だった。
用紙をコピー機にセットしても、私はしゃがんだまま涙を流し続けた。
止めようなんて思わなかった。
流し続ければ、自分の中で燻ぶっているモノが洗い流せる。そう思った。
どれくらい泣いていただろう。
多分、数分という短い時間だったけど、気持ちは随分楽になった。
そのまま資料作りの作業を続け、終わった時に
「もう……ダメ……」
言葉が漏れた。
今夜はあの日のように、彼は現れない。
もし、現れてくれたら私の気持は変わっていたかもしれない。
でも、やっぱり現れてはくれない。
私は会社を出ると、すぐに携帯電話を取り出しトランクスに電話した。
数回コールが鳴った後、留守番電話に切り替わると、私はそこに別れのメッセージを残した。
「私と仕事、どっちが大事なの?!」
そんな馬鹿みたいなことを問い質すことはプライドが許さなかったから、その前に別れの言葉を言えてよかったと思う。
そしてこの夜、私は私の憧れた夢の時間から解放された。