「うー……子供扱いして……」

　と、蓮は眉を寄せ抗議するのだった。　

　そんな二人を見ながら、トランクスは苦笑いと寂しさが混ざったような笑みを浮かべていた。

　もし、自分も平和な生活をしていれば、普通に学校へ行き、そこで学んだり恋をしたりしていたのだろうか。

　ふと、そんな思いが込み上げてきて、繋いだの手の温かさに余計に胸が詰まった。

「学校に行ってみたら？」

　と言う母のアイデアで、こちらのトランクスのフリをして学校へ潜り込んだ。

　そして、そこで彼女に出会った。

　他の生徒にバレない中、屈託ない笑顔のふわふわした彼女に

「トランクス君て、もしかして双子？」

　と、尋ねられた時の衝撃は忘れられない。

　それから、何となく掴みどころのない彼女に逢いたくなり、一度だけの通学のつもりが数回になっていた。

　蓮に出逢えたこと。

　それが学生を体験して一番得たものだと、トランクスは思った。

「あ、そうだ！　今度三人で遊びに行こうよ！」

　突然言い出した蓮の提案に

「いいけど、都以外の場所だぞ。学校の奴等に会うと面倒だからな」

「ハハ、そうだな……。じゃあ、少し遠くに行こうか」

　賛成すると、##NAME1##は「ヤッター！」と、満面の笑みを浮かべた。

　その全開の笑顔に二人は胸をキュンとさせると、お互い頬を染めた顔を見合わせ

「三人は今回だけだから」
「ああ、そうだな」

　と、宣戦布告し合うのだった。



～おまけ～
「ねぇ、ところで蓮ちゃんの好きなタイプってどんな男（ひと）なの？」

「えっ？　あ、私の好きなタイプですか？　うーん、ベジータさんみたいな人かな！」

「なっ？！」

「あら、よかったじゃないベジータ！」

「うっ、うるさい！　おまえも適当なことを言うんじゃない！！」

「適当じゃないですよ！　だってベジータさんすごく素敵ですもん！！」

「っ！！」

　そう言って、にこにこと笑う蓮に赤面するベジータを見て、ブルマは必死で笑いを噛み殺すのだった。