「あ、ベジータさん！　良かった！　ブラちゃんベジータさんと遊びたいみたいなんです。ほら、ブラちゃん。パパ来てくれたよ」

「パパー！　ブラ、パパとおままごとしたいの」

「あ……ああ、そうか……」

「あ、それじゃ、私行きますね！　ブラちゃん、じゃあ、またね！」

「うん！　蓮ちゃん、またね！」

　小さな手を振るブラに手を振り返し、蓮はトランクスの部屋へと向かった。

　ドアをノックしてから「ゴメンね！」と言って入ると

「いや、こっちこそ今日もブラの相手してもらってゴメン」

　申し訳なさそうにする顔に

「ううん、いいよ！　妹が出来たみたいで楽しいし！」

　気にしないでというふうに笑うと、蓮はテーブルに座り、ノートと参考書を鞄から取りだした。

「じゃあ、蓮ちゃん。分からないところがあったら言って」

　そう優しい微笑みを向けるのは、トランクスの家庭教師として来ていた悟天の兄、悟飯だった。

　あの日、悟天にカプセルコーポレーションに連れられてから、蓮はブルマに気に入られたこともあり、下校途中によくカプセルコーポレーションに寄るようになっていた。

「悟飯さん。ここ教えてもらえますか？」

「うん？　あ、ここはね……」

　そして、こうして悟飯に勉強を教えてもらうこともあり、その度に、トランクスは蓮が悟飯を頼る姿にモヤモヤしていた。

　悟飯に嫉妬してることを自覚しながら、トランクスは何とか蓮との距離を縮められないか、頭を悩ませるのだった。