「ねぇ、君！　今からヒマ？　僕とお茶でもしない？」

　下校時、学校の門を出るなり声を掛けられ戸惑っていると

「悟天君！」

　後ろから知った声が聞こえ、振り返るとそこにはトランクスが立っていた。

「あ、トランクス！」

　声を掛けてきた悟天と呼ばれた黒髪の少年は、笑顔をトランクスへと向けたが

「ん？　あれ？　って、トランクスさん？！」

　と、すぐに驚きの声をあげた。

　そんな悟天の傍で

「トランクス君の知り合い？」

　蓮がトランクスに尋ねると

「あれ？　君、トランクスのこと知ってるの？」

　悟天は目を見開いた。

「え……あ、うん。同じクラスだから」

「えっ、そうなんだ！？　ん？　あ、もしかして君って転校生？！」

「……う、うん」

「へー！　そっか、君が蓮ちゃんかー！」

　にやりと意味深に笑う顔に、たじろいでいると

「あ、そうだ！　ねぇ、今からトランクスの家に行かない？」

　その悟天の発言に

「悟天君！？」

　と、トランクスは慌てたように、大きな声を出した。

　そんなトランクスにじとりとした視線を向け

「隠し事はよくないと思うけどなー。トランクスさん！」

　悟天はにんまりと笑うと、蓮の手をとり歩き出した。

「え？　あの、ちょっと……！」

　引っ張る悟天を制止しようとすると

「トランクスの秘密、教えてあげるよ」

　悪戯っぽい笑みを浮かべ囁く横顔に、好奇心のツボを見事に押された蓮は、そのまま悟天に付いて行くことにしたのだった。