「えー、今日からこのクラスで学ぶことになった、蓮さんだ。みんな、仲良くするように。あー、それじゃあ蓮さん。席は一番後ろのトランクス君の隣りに座りなさい」

　クラスの担任にそう言われ、蓮は一番後ろの窓際の席へと向かった。

　隣りには「トランクス君」と呼ばれた、少々目つきの悪い……いや、目元の涼しい男子生徒が座っていて

「よろしくね」

　一言声を掛けてから着席すると

「よろしく」

　予想外の微笑みを向けられ、蓮は少し拍子抜けしてしまった。

　昼休み、昼食を食べ終え教室へと戻ると、隣りに座る彼は机に突っ伏し眠っていた。

　座ると丁度見える無防備な寝顔に

　カワイイ寝顔……。と見つめていると、パチリと目を覚ました青い瞳と目が合い、ギクッとした。

「お、おはよう……！」

　慌てて笑顔を作り、そう言うと

「……っおはよう……！」

　と、答える顔は恥ずかしそうな、バツの悪そうな顔をしていた。

　またもや意外なその反応に、クールな印象のトランクスが蓮にはとても可愛く見えて

　人って見かけによらないな。

　と、心の中でくすりと笑った。

　次の日、教室に入って来たトランクスに朝の挨拶をすると

「おはよう」

　と返ってきた声に、少し違和感を覚えた。

　そして、次の日もやはり隣りに座る彼に違和感を覚え

「トランクス君て、もしかして双子？」

　と、自分でも突拍子もないなと思うことを尋ねると、そこには思いっ切り動揺する顔があった。