いつの間にか、舞踏会が行われる筈の広間には、招待された女性たちの他に城の兵士、大臣たちまで集まり、結局、武道会場になってしまいました。

　べジータ王と道着の男の戦いは、どんどんエスカレートしていきます。　

　なかなか決着のつかない戦いに苛立ったべジータ王は、とうとう気弾を撃ち始めたのでした。

「おっと、危ねぇ！」

　道着の男は気弾を避けると

「それじゃあ、オラも！」

　と、気弾を撃ち始めたのです。

　天井や壁には気弾が打ち込まれ、広間に集まっている人々の上に落下し始めました。

　広間にいた人々は逃げ出し、メディカも慌てて広間から逃げようとしましたが

「あっ！」

　何と！　ガラスの靴が、片方脱げてしまったのでした。

　メディカは慌てて脱げたガラスの靴を取ろうとしますが、靴は広間から出ようとする人たちに阻まれ、取ることが出来ません。

　仕方なく、メディカがガラスの靴を諦め、広間から逃げ出そうとしたその時――！

　崩れた天井がメディカの上に落ちてきたのです！

　あっ――！

　メディカは目をきつく瞑り、死を覚悟しました。

　――。

　――！？

　なかなかこない衝撃に、メディカがソロリと目を開くと

「大丈夫ですか？！」

　落ちてきた天井を軽々と片手で支える青年の姿が目に映りました。

「！　は、はい！」

　命の恩人とでも言うべきその青年は、青い瞳が印象的な、とても素敵な人でした。

　思わずメディカが見惚れていると

「ここは危険です！　早く逃げましょう」