薄く目を開くと、愛しい彼の寝顔がすぐ目の前にあった。

　心地好い波の音と、スースーという彼の寝息が、再びメディカを眠りの中へと誘ったが、カーテンから差し込んできた銀色の日差しがそれを妨げた。

　っ……眩しい……。

　目を細め、カーテンに手を伸ばすと、その隙間から朝日に照らされた銀色に輝く海が見えた。

　その光景は、一瞬にして目が覚める程美しいもので、メディカはうっとりとその神々しい景色を眺め

　綺麗……。

　そう呟くと、果てしなく広がる水平線と、どこまでも続く青く澄んだ空をしばらく見つめた。

　それから、メディカは隣りで眠る愛しい人に視線を移し

　贅沢だな……。

　そう、胸の中で呟いた。

　こんな幸せな朝を迎えられることに

　トランクスさんのおかげ……。

　そう微笑んで、今日はなかなか起きそうにない愛しい人の髪を撫でると、ふいに切なさが込み上げてきた。

　彼も、私と同じような気持ちでいるのだろうか？

　私と居て、幸せだと思ってくれているのだろうか……。

　と。

　トランクスと居て幸せを感じた時、よくそんなことを思う。

　自分は与えられるばかりで、トランクスには何も返せてないんじゃないか……？
　
　そう思うと、大して美人でもなく、才もない自分が惨めに思えた。

　昨夜の激しい情事のせいか、珍しく深く眠る愛しい人の頬に手を当て、その輪郭をなぞり

「好きだ……」

　何度も聞いた言葉と、真っ直ぐに見つめる青い瞳を思い返しながら、メディカはトランクスの寝顔を切なく見つめるのだった。