夕方になり、修行から帰って来た小人たちは、家に入るなり驚きました。

　なぜならそこには、数本の酒瓶と共に酒瓶を抱えたまま眠る白雪姫が床に転がっていたからです。

「白雪姫！」

　トランクス小人はすぐさま姫の傍にかけ寄りましたが、白雪姫はぐっすりと眠っていて、目を覚ましそうにありません。

「チッ！　こんなところで寝やがって！」

　苦々しい顔で姫を睨んだベジータ小人は、ひょいとその体を抱え上げると、ベッドへと運んだのでした。

　それからも、なかなか目を覚まさない白雪姫のことを心配した小人たちは、ベッドの傍で姫の様子を見守ることにしました。

　スースーと気持ち良さそうに眠る姫からは、アルコールとリンゴの妙にいい香りが漂い、白く綺麗な頬はピンクに染まり、普段とは違う色気を醸し出しています。

　そんな姫の様子を、トランクス小人が頬を染め見つめていると

「それにしても、なかなか起きないなぁ」

　クリリン小人が困り顔で言いました。

「えーっと……。こういう時は、王子様のキスで目を覚ますらしいですよ」

　悟飯小人が開いた本片手に答えると

「王子様のキスか……。王子といやぁ、ベジータだろ？」

　そう言ってクリリンがベジータ小人を見ると

「なっ……！　何を言ってやがる！！　俺には妻がいるんだぞ！」

　ベジータ小人は顔を真っ赤にして怒鳴ったのでした。

「あ、そうだよな。俺も結婚してるしなぁ。そうなると悟飯もダメだろ。……そうだ！　おい、ベジータの息子ってことは、トランクスも王子ってことだよな？」

　そう言うと、クリリン小人は、トランクス小人へ明るい顔を向けたのでした。