コトが終わり、メディカがトランクスに寄り添い、幸せの余韻に浸っていると

「星を見に来たはずだったのにな……」

　やってしまった……。とでも言うような、気不味そうな声が聞こえてきた。

　ベッドサイドのオレンジ色の照明に照らされた横顔に

「ふふっ……。そうだね」

　と微笑んでから

「星はまた今度見に行こ」

　くすくすと笑うと、メディカはトランクスの左腕に絡みついた。

　初めて愛された場所が自然のプラネタリウムの下というのは、実にロマンティックなシチュエーションだったんじゃないか。

　密かにそう思うメディカが、嬉しそうに微笑むと

「うん、また行こう……」

　苦笑いを浮かべるトランクスは、左腕に絡むメディカを抱きしめた。

　しばらく抱き合っていると

「去年、パオズ山で流れ星を見たこと覚えてる？」

　メディカが猫が擦り寄るように尋ねてきた。

　上目遣いで見上げるその顔に微笑んでから

「ああ、覚えてるよ」

　思い出す様にトランクスは目を閉じると、あの夏、パオズ山で味わった胸の痛みを懐かしんだ。

　出来ることなら、あの日の自分に現在の幸せを教えてやりたい。そんな事を思っていると

「私、あの時見た流れ星に、トランクスさんと仲良くなれますように。ってお願いしたの」

　照れた笑顔を向けられ、トランクスは驚いた顔でメディカを見つめた。

　あの時、何を願ったのかと尋ねると「秘密です」と答えた彼女は、すでに自分に好意があったのだと思うと、何となく悔しい気持ちになる。