「こうして星を眺めるのって、子供のとき以来」

　これから始まる天体ショーを待ちわびる声に

「俺も、むかし悟天とパオズ山で見て以来だよ」

　子供の頃のことを思い出すと

「ふふっ！　トランクスさんと悟天君て本当に仲良し」

　くすくすと笑う声に「あ、もしかして妬いてる？」と返すと「うん。少し」と、ニコニコした笑顔と目が合った。

　その顔をじっと見つめると、メディカは照れたように再び空へと顔を向け

「あっという間だから、ちゃんと見とかなくちゃね」

　言い聞かせるように口にした。

　そんなメディカを少し見つめてから、トランクスも顔を夜空へ向けると、白い閃光が空を掠めた。

「あっ！」と声を上げると「えっ？！　見えたの？！」と、慌てた声がした。

「いま見えたよ！」

「えっ、ホント？！」

「うん、右の方から流れて行った」

「悔しい！　見逃しちゃった！」

「また見えるよ。今日の流星群は１時間に２０個ほど見えるらしいから」

「うん！　今度は見逃さないようにしなきゃ」

　夜空に目を凝らしている隣りの彼女が微笑ましく、トランクスがくすりと笑っていると「あ！」と、興奮する声が上がった。

　続けて閃光が夜空を駆けると、隣りから「奇麗……」と、感嘆の声が聞こえ、チラリと横目でその様子を微笑み見ていると、視線を感じたらしいメディカと目が合った。

　はにかんだような微笑みを返され、その顔に愛しさが込み上げてきたトランクスは、噛み締めるように

「メディカさん……」
　
　と愛しい名を呼ぶと、隣りの彼女へと手を伸ばした。