メディカは海に浮かびながら、照りつける太陽に目を細めた。

濃く青い空から降る太陽の光は、まるで絵画の中に描かれている光の様だ。

穏やかな波に揺られ、人生で初めての海というものに包まれていると

「胎内にある羊水は海に似ている。」

という言葉を思い出した。

自分はすでに、母親の胎内で海を体験していたのだろうか？

自分も含め、人が海に憧れるのはだからなのかな？

そんなことをぼんやり思っていると

「お姉ちゃん、一緒に乗りましょう！」

と、２人でも十分に寝転がれそうな黄色い長方形のフロートマットに乗って、ブラがやって来た。

「わぁ！こういうの海に来たって感じがするね！」

目をキラキラさせるメディカに

「そうでしょ！」

ブラは得意気にウィンクをした。

海水浴が初めてだというメディカが、フロートマットを見て子供の様にはしゃいでいる姿に、ブラは思わず微笑んだ。

いつも落ち着いていて、大人っぽいかと思えば、時々少女の様な面を見せるメディカがブラは好きだった。

決して狙っているわけではなく、自然体。

そんなところが、あの兄の心もがっちりと掴んだのだろう。

そう思うとブラは

（他にお姉ちゃんのどんなところが好きなのかしら？ふふ！また、ちゃーんと教えてもらわなくちゃ！）

と、ニヤリと口角を上げるのだった。




「メディカちゃんのとこ行かなくていいの？」

白いビーチチェアに座るトランクスに悟天が声をかけると

「いいよ。」

と、ややぶっきらぼうな返事が返ってきた。