アンティークオークの扉を開けてすぐ、トランクスの眼に、純白のウエディングドレスに身を包んだ、メディカの姿が飛び込んで来た。

　いつになく、華麗さと清楚さを備えた、まるで女神のようなメディカの姿に、トランクスが完全に言葉を失っていると

「フフ。お仕度終わりましたよ」

　これまで、多くのハレの日に立ち会って来ただろう、ベテランの介添え人の女性が、あからさまに、花嫁に見惚れている新郎へ温かい笑みを向けた。

　その言葉と向けられた笑顔で、ハッと我に返ったトランクスは、メディカに見惚れていたことを、照れ笑いで誤魔化すと、表情を整え

「メディカ、すごく綺麗だよ」

　小さく微笑む、メディカの黒い瞳を、愛おしそうに見つめた。

　自分を見つめる、トランクスの柔らかい眼差しに、メディカは

「ありがとう」

　幸せと照れとが混ざった、愛らしい微笑みを浮かべた。　

　そんな、極上といってもいい、美しいメディカの微笑みに、トランクスは、胸を真綿で絞められたような、苦しさと心地良さを覚え

（絶対に、メディカを幸せにする！）

　そう決意を新たにすると、心から愛しく想うメディカの両手を、優しく包み込むのだった。