「ああ、毎日こんなふうに、メディカと過ごせたらな……」

　心の声を漏らすトランクスに、メディカは、コーヒーを飲もうとしていた手を止め、向かい合う恋人を見つめた。

　無意識に漏らした言葉に、トランクスは気付くようすもなく、満足そうに、コーヒーを啜っている。

　メディカは、トランクスに倣うように、自分もコーヒーを一口飲み込むと

「私も、トランクスさんと毎日一緒にいれたらな～。って思ってるよ」

　小さく笑みを浮かべた。

　店内に流れるボサノバの曲と共に、耳に入ってきたメディカの声。

　それに、トランクスは最初無反応だったが、少し遅れてから、驚いた顔をメディカに向けた。
　
　メディカが何故、そんなこと言ったのか、トランクスは一瞬理解出来ずにいたが、自分が、さっき何を口走ったのか思い出したらしく、あからさまに「しまった」という顔をした。

　そんな、動揺を隠せない自分を、可笑しそうに微笑んでいるメディカを見て

（……もう、躊躇ってる場合じゃない！）

　トランクスは心を決めると、そっと、ショルダーバッグの中からリングケースを取り出し、テーブルの上に差し出すと

「メディカ、俺と結婚して欲しい」

　真剣な目でメディカを見つめ、二度目のプロポーズに踏み切った。

　誠実さで満ちた、青い瞳。

　その中に、メディカは自分の姿を捉えると、瞳の中の、もう一人の自分と確認し合うように、はにかんだ笑みを湛え

「はい」
　
　ゆっくり頷いたのだった。