マンションが近付くにつれ、そこにいる人物の姿がはっきり見えてくると、メディカは思わず足を止めた。　

　そこに立っていたのは、間違いなく逢いたくて逢いたくてたまらない愛しい恋人だった。

　仕事が終わってすぐ来たのか、スーツ姿で佇んでいた彼は、メディカに気付くなり

「おかえり」

　少し悪戯で可笑しそうな笑顔を向けた。

「た、ただいま……」

　無意識に返したメディカだったが、突然のことに呆然とした表情でトランクスを見つめている。

　嘘……？！

　何で……？！

　思ってもみないトランクスのまちぶせに、じわじわと驚きと嬉しさ、そして逢いたい気持ちに蓋をしてた辛さとが込み上げてくる。

　メディカはこの三つの感情を上手く表情に表すことが出来ず、ただ目頭だけが熱くなっていくのが分かった。

　そんなメディカを見て、トランクスは企みが上手くいったとばかりに嬉しそうな顔をしながら近付いて来ると

「驚いた？」

　にっこりと青い目を細めた。

「う、うん……！」

　優しくて綺麗な青い瞳を見つめ頷くと

「今日は仕事が早く終わったんだ。だから……逢いに来た」

　トランクスはメディカの黒い髪をすぅと撫でると

「逢いたくて、たまらなかったよ」

　メディカをギュッと嚙み締めるように、強く抱きしめた。