「見事にやられたって感じね。」

と、クスクス笑いながら

「ベジータがいたら、そのまま帰って重力室行きになってたわよ。」

そう続けた母ブルマに、トランクスは苦い顔をした。

正直ここまで身体が動かないとは思っておらず、修行を怠け続けるとこういう事になるのかと痛感する。

前に父に言われた通り「ガキの頃の方がいい動きをしていた」ように自分でも思う。

それは隣りでメディカに包帯を巻いてもらっている悟天も同じではないだろうか。

そう思いチラリとその顔を見ると「メディカちゃん、ありがとー。」と緩い顔をメディカへと向けており、一気に白けてしまった。

「はい、トランクス！出来たわよ！！」

そう言って、包帯を巻いた腕をバシッ！と叩いてきたパンに「痛っ！！」と声を上げると

「もう！ホント情けないんだから。これぐらい大したことないでしょ！大袈裟ね。」

冷たい視線を向けられると同時に、隣りからはメディカの小さな笑い声が聞こえ、それが何とも恥ずかしく、これ以上彼女に醜態を見せたくないと思うが、どうやらそうはいかないらしい。

そんな苦い思いを抱えながら、悟天の手当てを終えたメディカを見つめていると、ふと目が合い、はにかむように微笑んできた彼女に想いが募った。

「俺のことをどう思ってる？」

聞きたいことはそれだけなのに、その短い言葉がなかなか聞けずにいる。

焦りと苦しい思いが混ざり合った胸の内に（クソッ！）と悪態を吐いていると

「みんな、昼ご飯さ出来たぞ。」

と、チチの呑気な声が聞こえてきた。