その顔を見掠めながら、突き出された拳をかわし、自らも続けて拳を突き出すと

「へへ、メディカちゃんに俺の強くてカッコイイところ見てもらわなくちゃ。」

そう言って拳を素早く避け、体勢を低くすると、足元を薙ぎ払ってきた悟天の左足を跳んでかわしたが、続け様にきた回し蹴りに反応が遅れ、見事に右腕にヒットしてしまった。

「ぐっ・・・！」という唸りと共に体勢を崩すと、悟天はチャンスとばかりに拳と足を絡めた連続技を繰り出してくる。

「ニヒヒー。これで俺の方が有利かな？」

何とか腕を胸の前でクロスさせ、連撃を防ぐトランクスに悟天は呟くと、次には素早く背後に回り込み、トランクスの背中を蹴り飛ばすと、その一撃で、トランクスは「グァッ・・・！」と苦しい声を出すと同時に弾き飛ばされ、ズザザッ！と草原に倒れ込むのだった。

「あ、決まったみたいね。」

事もなげに言うブラとは対照的に、メディカは声も出ないといったふうに、両手を口元に当て、倒れたままのトランクスを心配そうに見つめている。

「悟天おじさんて、あんなに強かったかしら？」

怪訝な顔で２人を見つめるパンに

「ハハ。実力はどちらも似た様なもんだ。・・・ただ、気持ちの差ってヤツだな。」

そう言うと悟空は、ゆっくりと２人の元へと歩きだした。

「気持ちの差ぁ？・・・あ、そっか！おじさんてば、今日はメディカ先生が見てるからね！」

叔父である悟天のお調子者の性格をいやという程知っているパンはそう言うと、トランクスに手を差し出している悟天へ呆れた顔を向けるのだった。