「ハッ！」「よっ！」「くっ！！」「おっと！！」

広い草原に響く２人の声と空を切る音、そして激しく力がぶつかり合う音にメディカの胸はドクンドクンと高鳴っていた。

普段の凛々しく、優しい笑顔を見せる彼が、鋭く真剣な表情で戦っている姿がカッコ良くてたまらない。

そんな、初めて見るトランクスの姿に、メディカががっつり見惚れているのを、隣りに立つブラは笑みを噛み締めながら窺っていた。

悟天の思惑通り、まんまと兄の勇姿に魅入っているメディカに

「少しトランクスの方がおじさんを圧してるかも・・・！？あっ、でも今おじさんの足がトランクスのお腹を掠めたわ！」

と、パンは久し振りに見るトランクスとおじ悟天の対決を、興奮気味に実況している。

そして、そのパンの隣りでは、悟空が腰に手を当て、久し振りに見る息子たちの組み手の様子を微笑み見つめていた。

いつになく真剣に拳を交える２人が、何故闘志を燃やして戦っているかなど知るわけもなく、悟空はもちろんメディカとパンも、それぞれ対決の行方を見届けるのだった。




悟天の攻撃をかわし、自分も攻撃を仕掛けながら、トランクスは視界の端々に、自分たちに向けて熱い視線を送るメディカの姿を捉えていた。

その向けられる視線が自分たちになのか、悟天になのか・・・。もしかしたら、自分になのか・・・と少し期待をしつつ、久し振りの幼馴染との対決に闘志を燃やしていると

「やっぱりギャラリーがいると燃えるよね。」

拳を勢い良く突き出してきた悟天が、ニッと口角を上げた。