当直明けだったこともあり、昨夜は布団に入るなりすぐに深い眠りへと落ちていたメディカは、翌朝目を覚ますと、まだ眠っているパンとブラを起こさないよう、そっと身支度を整え隣宅へと向かった。

行くと、すでにチチとビーデルが朝食の準備を始めており、共にキッチンに立ち朝食の準備を手伝っていると、しばらくして「おはよー。」と言う声と共に、ブラが家の中に入って来た。

「おはよう、ブラちゃん。」

そう声をかけるビーデルが「あら、パンは？」と尋ねると

「パンちゃんは、悟空さんと組み手をしてから来るんですって。」

そう答えながら、ダイニングの椅子に腰掛けるブラに

「組み手って・・・相対稽古だっけ？」

メディカが尋ねた。

「メディカさ、組み手さ知ってるだか？」

チチがボウルの中の卵をかき混ぜながら、意外そうな顔を向けると

「あ、はい。トランクスさんに教えてもらったんです。」

柔らかく微笑むその顔に、ビーデルは静かに微笑むとブラへと視線を送り、その視線を受けたブラもニヤリと口角を上げた。

先週、兄とメディカはやっとデートをしたらしく、帰って来るなり締りのない顔をする兄の顔を見つけたブラは、すぐに直感が働いた。

それは母ブルマも同じだった様で

「少しは進展したみたいね。」

と、翌日嬉しそうにコーヒーを啜っていた。

そして、昨日。

やはりメディカの様子も違っていた。

恥ずかしそうな、気不味そうな・・・。極力兄から視線を外そうとしているメディカに、やはり何かあったなと確信した。