「メディカさん・・・！」

名前を呼ばれ隣りを見ると、顔を強張らせたトランクスがこちらをじっと見つめていた。

「はい？」

その顔に小首を傾げ答えると、トランクスの表情は更に固くなった気がした。

通りを走る、車の走行音だけが聞こえる中で、トランクスの次の言葉を待っていると

「よぉ！悪ぃ、待たせちまったか？」

と、突然目の前に現れた姿にメディカはビクンと身体を大きく反応させた。

声と共に現れた、以前会った時と変わらない屈託のないその笑顔に安心するも、驚きの方が勝り声が出てこなかった。

そして、驚いたのはトランクスも同じだった様で

「ごっ、悟空さん！！？」

と声のボリュームを上げ、青い胴着風の悟空の姿をギクリとした顔で見つめている。

「トランクス、迎えに来たぞ。あと・・・えっと、メディカだっけな？」

ニコニコと人懐っこい笑顔を向ける悟空に

「は、はい。お久し振りです！」

と、メディカは頭を下げた。

「ああ、久し振りだな！・・・んっ？トランクス、どうかしたんか？」

不思議そうな顔を向けられ「な、何でもないです！」と、焦る顔に

「そっか？それじゃあ、帰ぇるぞ！２人ともオラに掴まれ。」

そう言われ、メディカが躊躇いつつも悟空の腕を掴むのを、トランクスは少し嫉妬しつつ見つめていた。

「それじゃ、行くゾ！チチが美味そうな飯いっぺぇ作ってたからな。帰ったらたくさん食おうな！」

そう言い終わると、３人の身体はフッと火が消える様に、一瞬にして姿を消したのだった。