そう答えるトランクスが、少しでもメディカと２人きりでいる時間が欲しくて「仕事があるからと嘘をついて、一日中家に籠っていました。」と言えるわけもなく、笑顔で誤魔化す様に

「それに、悟空さんに瞬間移動で来てもらうには、分かりやすい気が必要ですから。」

と続けた。

「・・・瞬間移動？」

メディカはトランクスの口から出た単語に疑問符をつけ呟くと

「悟空さんは瞬間移動が使えるんですよ！」

トランクスは自分のことの様に得意気な顔をすると

「ホント便利ですよねー。行きたい所に一瞬で行けちゃうんですから！」

羨ましそうに言うその顔を、メディカはポカンとした顔で見上げていた。

だいぶん現実離れした出来事に慣れてきたと思っていたが、まだそんな隠し技があったのかとア然としてしまう。

そんなメディカの様子にトランクスはハッとし

「あ・・・！えっと、瞬間移動は悟空さんだけが使えるもので・・・！！サイヤ人だから使えるとかじゃなくて・・・」

オタオタと説明し始めようとすると

「フッ。まだ私の知らないことがあったんですね！」

小さく吹き出したメディカは可笑しそうに笑い始めた。

その笑う顔に、何を見聞きしても受け入れてくれる彼女の性質にただ感謝しホッと短くも深い息を吐く。

隣りでクスクスと笑いながら「色々と聞いたんですけど、本当に悟空さんて凄い人なんですね！」

と笑うその横顔をじっと見つめていると、トランクスの胸はドクンドクンと苦しくなり始めた。

街灯が２人を照らす中、この苦しみを伝えなければと、トランクスは口を開いた。