やはりトランクスは有名人なのだろうなと思うと、心の中で溜息が出た。

特にテレビや雑誌などに出ているわけではないが、やはり政治・経済などに日頃から関心のある人たちの間では知らない人などいないのだろう。

もし、メディアに露出する様なことが増えれば、一気にファンが増えそうな気がして、メディカは複雑な思いを抱くのだった。

あのルックスで大企業カプセルコーポレーションの社長とくれば世間が放っておく筈がなく、トランクスの存在が広がっていくのと比例して、自分から更に遠ざかって行く気がして、メディカは少し寂しくなるのだった。

そして、それをほのめかすかの様に、カメラを抱えた人物がカプセルコーポレーションを見張っていたではないか・・・。

トランクスがテレビなどに自ら望んで出演する様な性格ではなさそうなので少し安堵するも、もし芸能人の様な人気が出たら、トランクスはどんな反応をするのか少し気になったりもするのだった。

（でも、そうなったらテレビや雑誌なんかでトランクスさんを見ることが出来るから、嬉しいかも・・・。・・・ハハ。私もそんなファンの１人になっていくのかな・・・。）

そう思いながら寂しく微笑み、医局のデスクに座り担当患者のカルテを確認していると

「さっき、超カッコイイ人見たんですけど！」

「え、どこで？！」

「６階の病棟です！スーツ姿がかなり素敵で、しかも綺麗な女性秘書さん連れてて！どこかの偉い人ですよ、きっと！」

先輩女医と先輩女子研修医の話す声が聞こえ、メディカは思わず苦笑いを浮かべるのだった。