「甘いものを食べたら、疲れが取れますから・・・。ずっとトランクスさんに運転も操縦もお任せしちゃって・・・ごめんなさい。」

そう言って申し訳なさそうに眉を寄せる彼女がやはり愛しくてたまらない。

「大丈夫ですよ！体力と集中力には自信がありますから。」

ニッと口角を上げると

「でも、疲れたら途中で休憩して下さいね。」

次には眉を寄せ微笑むメディカに

「ええ、疲れたらそうさせてもらいます。」

と答えたトランクスの心の奥底には、決して口には出せない下心がちらついていた。





西の都の灯が見えてくると、トランクスは都の郊外の適当な場所に飛行機を着陸させた。

ここから西の都まではエアカーで向かうことにし、季節の深まりと共に、訪れの早くなった夜の道をトランクスはハンドルを握り慎重に進んでいた。

「メディカさん、寒くないですか？」

やはり南のエリアと比べると気温の低い西の都の肌寒い空気に、スコールに濡れた彼女が気になり声をかけると

「はい、大丈夫ですよ。服ももう乾いてますから。」

と、明るい声が返ってきた。

「なら、いいんですけど・・・。やっぱりこっちは寒いですから。」

「ありがとうございます。気にして下さって。」

「当然です！もしメディカさんが風邪でも引いた大変ですから！！」

「ふふ。やっぱりトランクスさんは優しいですね。」

そう言って小さく笑うメディカに赤面しながら、この幸せな時間が確実に終わりに近づいていることをトランクスは寂しく思い始め、近付いて来る眩しい程の街の明かりを恨めしく思うのだった。