カルテ71
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
波打ち際に佇む白いワンピースの後ろ姿を見つめながら、トランクスはようやく境界線から海の方へと歩き出した。
何故か彼女と一緒に海へと向かうことが出来なかった。
共に足を踏み出せず、少し離れた場所から海へと向かう彼女をしばらく見つめていた。
何故躊躇われたのか―。
その理由が分かったのは海をじっと見つめる彼女の隣りに立った時だった。
裸足のまま海を見つめるその顔は、泣きそうな顔をしていた。
(あぁ・・・。きっとこの顔を見たくなかったんだ・・・。)
トランクスはそう思うと、隣りのメディカから顔を逸らす様に正面の青い海へと視線を向けた。
波の音だけに包まれる静かな波打ち際で、メディカは幼い日のことを思い出していた。
「家族で海に行こう。」
果たされることのなかったあの約束。
海を見る度にあの約束と、母のいた幸せで楽しかった家族の日々が思い出され、それと同時に、当然の様にいると思っていた母がいなくなってしまった喪失感と恨みが海を見る度に込み上げてきて、どうしても海に近付くことが出来なかった。
「・・・やっと、海に来ることが出来ました。」
ハーフアップにした髪を風に靡かせ、そう呟いたメディカはとても遠い目をしていた。
その横顔に、トランクスは思わずメディカの右手へと手を伸ばしていた。
自分の手より小さく、細い指をしっかり包み込むと
「来年の夏は泳ぎに来ましょう。」
そう微笑むと、メディカは繋がれた手にキュッと力を込め
「はい・・・。」
と、弱い笑みをトランクスへと向けるのだった。
何故か彼女と一緒に海へと向かうことが出来なかった。
共に足を踏み出せず、少し離れた場所から海へと向かう彼女をしばらく見つめていた。
何故躊躇われたのか―。
その理由が分かったのは海をじっと見つめる彼女の隣りに立った時だった。
裸足のまま海を見つめるその顔は、泣きそうな顔をしていた。
(あぁ・・・。きっとこの顔を見たくなかったんだ・・・。)
トランクスはそう思うと、隣りのメディカから顔を逸らす様に正面の青い海へと視線を向けた。
波の音だけに包まれる静かな波打ち際で、メディカは幼い日のことを思い出していた。
「家族で海に行こう。」
果たされることのなかったあの約束。
海を見る度にあの約束と、母のいた幸せで楽しかった家族の日々が思い出され、それと同時に、当然の様にいると思っていた母がいなくなってしまった喪失感と恨みが海を見る度に込み上げてきて、どうしても海に近付くことが出来なかった。
「・・・やっと、海に来ることが出来ました。」
ハーフアップにした髪を風に靡かせ、そう呟いたメディカはとても遠い目をしていた。
その横顔に、トランクスは思わずメディカの右手へと手を伸ばしていた。
自分の手より小さく、細い指をしっかり包み込むと
「来年の夏は泳ぎに来ましょう。」
そう微笑むと、メディカは繋がれた手にキュッと力を込め
「はい・・・。」
と、弱い笑みをトランクスへと向けるのだった。