南の島らしい、魚介や果物がふんだんに使われた料理を堪能し

「すごく美味しかったです！ごちそうさまでした！」

そう言って笑顔を向けるメディカに、トランクスは胸がいっぱいになり（その笑顔が見られるなら何でも出来る！）本気でそう思った。

レストランを出ると、２人は南のリゾート地を歩きながら、街の果てにあるビーチを目指した。

ヤシの木が続くビーチまで抜けるメインの大通りには、土産物屋や土地に古くから伝わる工芸品店、最近出来たばかりであろうお洒落なカフェなど様々な店が軒を連ね、夏の観光シーズンが終わった今でもたくさんの観光客で賑わっている。

そしてそんな観光客同様、メディカも胸を弾ませ、活気ある通りを歩いていた。

初めて訪れる温暖で解放感のある南の島は、非日常感で溢れ、追われる様な毎日を送っていることを忘れさせてくれる。

この真っ青な空の下に広がる、まったりとした南の島の空気をメディカは思う存分味わおうと大きく息を吸い込んだ。

「どうですか？南の都は。」

トランクスに尋ねられ

「思ってた以上に素敵なところです！トランクスさん、連れて来て下さってホントにありがとうございます。」

と、メディカは満面の笑みをトランクスへと向けた。

南の都に来られたこともだが、こうしてトランクスと一緒にいられることが嬉しくて仕方なかった。

特別な関係でも何でもない彼とは、逢う機会などなかなかない。

だからだろうか。逢えばどんどん「好き」という気持ちが膨らんでいくのは確かで、この想いがいつか抑えきれなくなりそうで怖かった。