メディカから「お洒落だ。」と言われ

「お洒落？そうかな・・・？」

と照れ笑いすると

「トランクスさんて、本当に色々なことに自覚がないんですね。」

メディカはそう言って笑うと

「トランクスさんはカッコイイし、とってもお洒落だし。ホントに羨ましいです！」

と、付け加えた。

本当に、こんなに何もかも恵まれた人がいることに嫉妬してしまう。

しかも「そ、そんなことありませんよ！」と否定し本人に全く自覚がないことが腹立たしい。

今日だってシンプルな白のＴシャツの上に、薄手の黒のジャケットを羽織り、カーキ色のパンツという至ってシンプルなスタイルなのだが、見た目がカッコイイので、それだけでも十分お洒落に見えてしまう。

こんな素敵な人の隣りに立つのが自分などで本当にいいのだろうかと思いながら、メディカは「似合ってます。」と褒められた窓に映る自分に、密かに溜息を吐いた。

どこにでもいる様な平凡な自分と、こうしてデートをしてくれるのは約束を果たそうとしてくれる彼の優しさで、そこにあるのは恋愛感情などではなく、きっと博愛精神みたいなものなのだろうと思うと一気に切なくなった。

（何期待してるんだろ、私・・・。こうしてデート出来るだけで十分じゃない・・・。）

都の郊外を走りながら、開けてきた景色の中にある赤や黄色に染まりつつある木々を眺め黙り込んでいると

「もう少し行ったところで乗り換えましょうか。」

そう声を掛けてきたトランクスに、この沈んだ気持ちを悟られない様に「はい。」とメディカは微笑み答えるのだった。