西の都郊外へと向かうエアカーの車内は、何となくフワフワした空間となっていた。

夏にジンジャータウンへ行ったドライブデートの時とは何となく違う雰囲気に、お互いの会話もぎこちない。

それはメディカが纏ういつもとは違う香りのせいなのか、いつもより増して柔らかい雰囲気を醸し出すメイクや髪形のせいなのか・・・。

清楚で優しい彼女にピッタリな白いワンピースにベージュのパンプス。
ワンピースは襟元がスクエアネックになっていて、そこから覗く鎖骨がドキリとさせる。

そして、羽織るコバルトブルーのカーディガンは鮮やかな挿し色になっていてメディカによく似合っていた。

トランクスはハンドルを握る手に力を込めると

「今日のメディカさん、何だかいつもと違いますね。」

と、声を掛けた。

その言葉に

「そうですか？」

と、首を傾げるメディカに

「ええ。そのカーディガンの色、とても似合ってますよ。」

そう言うと「ありがとうございます！」と本当に嬉しそうに微笑む顔が視界の端に見え、その表情だけで幸せな気持ちで胸がいっぱいになった。

まだ会ってから３０分も経ってないというのに、これ程の満足感を感じている俺は果たして今日一日大丈夫か？！と自問する。

そして助手席に座るメディカも、褒められたことが嬉しいやら恥ずかしいやらで、緩みそうになる顔を誤魔化す様に

「トランクスさんがお洒落だから、何を着て行こうか凄く悩んだんですよ。」

眉根を寄せ困ったふうに笑いながら、何を着て行こうか必死に考えていた昨夜の自分を思い返すのだった。