そんな息子の表情に

「何よ？・・・もしかして、たまに会ってたりしたわけ？！」

もの凄く意外そうな顔を向けてきた母に

「あ、そろそろ時間だからもう行くよ。」

トランクスは話しをはぐらかす様に、席を立つと

「ちょっと、トランクス？！」

息子を茶化す気満々でいた母の表情の変化にトランクスはニヤリと腹の中で笑うと

「じゃ、行って来ます！」

と、リビングを出て行くのだった。

「あ！もう、何よ！帰って来たら白状してもらうわよ！！」

そんな母の声を背中で聞きながら、いつもとは違う反応をした自分に驚いた表情を見せた母の顔を思い出し、トランクスはクククと笑いながら足取り軽く玄関へと向かうのだった。





玄関を出るとデートには絶好の秋晴れの空が広がっており、気を上げると地面を蹴って空へと向かった。

西の都の街中に飛行機で迎えに行くことはさすがに憚れ、飛行機には待ち合わせてから乗ることになっている。

「私がそちらに行きましょうか？」

とメディカからの提案もあったが、あの家にメディカが来るとなると色々煩わしいなと想像し、自分が彼女のところへ迎えに行くことにした。

待ち合わせ場所であるメディカのマンション近くの公園を目指しながら、これからのことを思い胸を弾ませる。

そして頭の中では、少し、ほんの少しでいいからメディカに触れたいという欲望が渦巻き始め、イロイロと想像を巡らせ邪なことを考え表情を崩していると、待ち合わせ場所になっている公園を見つけ、トランクスはゆっくりと高度を落としていったのだった。