そのくすぐったい言葉を心の中で呟くと

「いやぁー、楽しみですねー！」

そう言って、ニコニコしながらトランクスたちのいる方へと歩いて行く悟飯の背中を見送りながら、柄にもなく胸が高鳴った。

「・・・おじいちゃん、か・・・。」

ベジータはフッと口角を上げると、串に刺さった肉を一気に口の中にスライドさせ、肉の味を噛み締める様にゆっくり咀嚼すると、ゴクリとそれを飲み下すのだった。



トランクスの携帯電話が振動したのは、花見も終わりを迎えようかという頃だった。

電話を見ると、メディカからのメールで、そこには

『お花見楽しんでますか？私はこれから休憩なので、病院の屋上からお花見します。』

と、書かれていた。

片手に収まる電話を、表情を緩め見つめていると

「メディカちゃんから？」

ビーデルのにっこりとした顔がこちらを見ていた。

その顔に「えっ、ええ。」と、照れながら答え

「あ、あの・・・。メディカさん、今から休憩みたいで・・・。ちょっとだけ、逢いに行って来てもいいですか？」

周りを気にしながら尋ねると、ビーデルはくすりと笑い

「ええ、いいんじゃない？私がメディカちゃんなら会いに来て欲しいもの。」

笑顔でそう返された。

その言葉にトランクスは照れた様に頬を掻くと

「あ、あの。それじゃあ、ちょっと行って来ます。」

そう言うと、周りを気にしながらそっと浮き上がり、咲き乱れる桜の上へと静かに昇って行くのだった。

その姿にビーデルは優しい笑みを向けると「行ってらっしゃい。」と、小さく手を振りその姿を見送るのだった。