３月下旬から膨らみはじめた桜の蕾は、４月のはじめには満開となり、西の都は今まさに、お花見シーズンを迎えていた。

そして、この期間限定イベントをブルマが黙って見過ごす筈もなく、お花見スポットとして有名な公園に仲間を集めると、月が昇る時間から、盛大なお花見パーティーを催していた。



「さぁ、今日はじゃんじゃん飲むわよー！」

「おっ、いいね！俺も付き合うぜ。」

缶ビールを高く掲げるブルマに続き、ヤムチャもプルタグを開けると、手に持った缶ビールを美味しそうに飲み始めている。

「はぁぁ・・・綺麗だべぇ。」
「ホント！とっても素敵！！」

そして、夜桜に見惚れ、感嘆の声をあげるチチとパンの隣りでは、広い敷物の上に並べられた豪勢な料理を前に

「なぁ、腹減ったからもう食ってもいいだろ？」

と、悟空が盛大な腹の虫を鳴らしていた。

「もう！おじいちゃんみたいな人を、花より団子っていうのね。」

パンが呆れると

「ん？団子もあるんか？そりゃ、楽しみだなー！」

嬉しそうにする顔に、パンはガクリと肩を落とすのだった。

「いやー、やっぱり桜はいいなー。」

クリリンが頭上を覆い尽くさんばかりの花を満足そうに見上げていると

「桜の花というのは、一瞬で散ってしまう儚さに心惹かれるのぉ・・・。まさに人生の様なもんじゃわい。」

感慨深気に言う亀仙人の声が聞こえ

「武天老師様が言っても、説得力に欠けますよ・・・。一体何年生きてるんですか？」

と、苦笑いを浮かべると

「ホッホッホッ！わしゃ、ピチピチギャルと仲良くなるまでは、まだまだ死ねんわい！」

そう元気な声が返ってきた。