「どうかした？」

「ふふっ。さっきのトランクスさんを思い出しちゃって。」

くすりと笑うメディカは、さっきのネクタイを緩め、肩で息をするトランクスを思い出していた。

「何だか、一生懸命私を探してくれたみたいだったから。」

嬉しそうにニコニコしながら言う顔に、トランクスは（うっ・・・。）とバツの悪い顔を浮かべた。

メディカの言う通り、彼女を探してこの町に辿り着くまでに、一体いくつ町を巡ったことか・・・。

まさか西の都と中の都との間にこれほど町が存在するとは思わず、トランクスは町に下りては必死にメディカを探したさっきまでの自分を思い出し

「あはははは・・・。どの町か分からなくて、すごく探したから・・・。」

乾いた笑い混じりに、正直に口にしていた。

「ふふっ！そんなに私に会いたいと思ってくれてたなんて・・・すごく嬉しいです！」

僅かに頬を染め見上げてきたメディカに、トランクスの胸はキュンとなった。

こうして想いが通じ合っていると分かったあとでも、メディカに見つめられることには当分慣れそうにない様で、落ち着かない心臓を誤魔化す様に

「何回も電話したんだけど、メディカさんが出てくれないから・・・。」

頬を染めムスッとした顔で言うと

「えっ！？」

と、掛けていたショルダーバックの中を慌てて確認し

「あ・・・。電話、家に忘れたみたい・・・。」

あははは・・・。と笑って誤魔化すメディカもまた可愛く、トランクスは「敵わないな・・・」と苦笑するしかなかった。