今となっては、トランクスの結婚話しが「デタラメな話し」だったと言って笑えるが、ついさっきまでは決してそうではなかった。

その笑い話しに、どれ程心痛め苦しんでいたことか・・・。

そう思うと、心の内からモヤモヤしたものが湧き起こってきたが、トランクスを責めるのも何だか違う気がして、メディカはフゥー・・・。と息を吐くことで、そのモヤモヤを身体の外へと逃がすのだった。

そんなメディカの様子に

「・・・ごめん。メディカさんを不安にさせたのは俺のせいでもあるのに・・・。」

ポツリと聞こえた謝罪の言葉に顔を上げると、そこにあった曇った顔は足を止め

「でも・・・！もうメディカさんを不安にさせるようなことはしないから！！・・・約束する。」

と、決心した様にメディカをじっと見つめるのだった。

そんなトランクスに、メディカは一瞬驚いた顔をしたが、その表情はすぐに柔らかいものへと変わり

「はい・・・。約束ですよ？」

と微笑むと

「じゃあ・・・私はトランクスさんを信じます。」

と、トランクスの右手をギュッと握るのだった。

柔らかくて細い手の感触を確かめる様に、トランクスはその手を握り返すと

「うん・・・！俺を信じて欲しい。」

嬉しそうに微笑むメディカにそう誓い、そのまま人通りのない道を、２人は手を繋ぎ再び歩きだしたのだった。



ほどなくして

「ふふっ！」

隣りからした小さく笑う声に、トランクスが不思議そうな顔を向けると、メディカの嬉しそうに笑う顔があった。