「え、ええ。目立たない様に目一杯高く飛んで帰ります。」

そう言ってトランクスは少し浮き上がると、メディカを見下ろしながら

「俺も、メディカさんに逢えて嬉しかったです。また、ここにも仕事の合間に来ようかな。」

そう冗談めいた発言をすると

「もう・・・。あまり秘書さんを困らせちゃダメですよ。」

眉を寄せながら微笑むメディカに、トランクスは勝手に了承した意味だと受け止めると、嬉しそうに微笑みながら

「一応分かりましたと言っておきます。それじゃあ、また・・・。」

と、高く浮きあがった。

が、すぐに高度を下げ戻ると

「言い忘れるところでした。短い前髪も似合ってます。可愛いですよ。」

にこりと微笑みそう言ったトランクスにメディカは目を見開くと、その反応が可笑しかったのか、トランクスはくすりと笑うと再び空へ向かったのだった。

そして一度上空で止まると、屋上から１人こちらを見上げているメディカに手を振り、身を翻すとカプセルコーポレーション本社の方へと飛んで行くのだった。

青い空の向こうへと消えて行ったトランクスを見送りながら、メディカは赤く染まっているだろう頬を両手で押さえ

「もう・・・！また不意打ち・・・！？」

と、悔しそうに顔を顰めるのだった。

一方トランクスは、メディカの発した「逢えて嬉しかったです。」という言葉を何度も頭の中で繰り返し、その言葉を噛み締めながら、ニマニマと表情を緩ませ、青い空にたなびく白い雲の中を突き抜けて行くのだった。