また、トランクスを間近で感じることが出来、メディカはその腕の中でそっと目を閉じたのだが、すぐにその表情は寂しいものへと変わり

「・・・どうか、されたんですか？」

と、トランクスの早く打つ鼓動を聞きながら尋ねていた。

少しの沈黙のあと、トランクスはメディカの肩に顔を埋めると

「ええ・・・。」

と力なく答え

「でも、もう大丈夫・・・。こうして逢えたから・・・。」

そう言ってメディカを一度強く抱きしめるとゆっくりと解放し、困惑して揺れる黒い瞳を見つめるのだった。

青い瞳に真っ直ぐ見つめられ、苦しくなる胸の中を誤魔化す様に

「・・・お仕事中にこんな所まで来られるなんて・・・。秘書さんに怒られちゃいますよ。」

困った様に微笑むと、トランクスの表情は苦しそうなものへと変わり

「・・・何でです・・・？何で、いつも俺から離れて行こうするんです？！」

絞り出す様に発せられた言葉に、メディカは息を呑んだ。

その言葉に何と答えていいか分からず、ただじっとトランクスを見つめていると

「さっき、病院で聞きました・・・。俺が結婚するっていう話し・・・。」

深く青い瞳に見据えられ、ドクンと胸が鳴った。

トランクスの口から出た「結婚」という言葉は、予想以上にメディカの心に影を落とし胸を締め付ける。

もし、また彼に逢う事があるなら「おめでとうございます。」と笑顔で祝福しよう。

そんなことを思ったが、実際はお祝いの言葉を言うどころか、笑顔にもなれそうになかった。

潰れそうな心を抱え、トランクスを見つめていると