カルテ97
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「聞いて、聞いて!スクープ手に入れたの!」
「何よ、スクープって?」
「それがね、タブレ社の会長の孫娘が、あのカプセルコーポレーションの社長と結婚するんですって!今日、会長本人が定期検査に来て言ってたらしいわよ!」
「えっ、カプセルコーポレーションの社長って、あのカッコいい人でしょ?」
「そうなの?」
「そうよ、知らないの?たまに雑誌とかに載ってるわよ。それに、タブレの会長の孫娘って、最近テレビに出てる綺麗な子よね?」
「そうそう!」
「へぇ。美男美女の結婚かー。羨ましいわね。」
「それに、2人が結婚したらどっちの会社にもメリットがあるし、いいんじゃない。」
「でも、それって何だか政略結婚ぽくない?」
「でも、本人たちもお互い好きみたいよ。」
「そうなの?それならいいんじゃない。」
――
―――
――――
隣りで交わされていた会話を、今も時々思い出す。
その度に胸が締め付けられ、苦しくなるこの症状は何時になったら完治するのだろうか。
久し振りに侵されたこの恋の病に効く薬は無いらしく、この2ヵ月ずっとこじらせたままだ。
(あの夜の事は、何かの間違いだ・・・!)
そう言い聞かせる催眠療法を続けてはいるが、なかなか効果を表してくれそうにない。
ただ、かろうじて仕事の時は症状を表さないでいてくれるので、やはりこの症状を治すのには「仕事」という治療法が一番効く様だ。
(当分は仕事のことだけ考えよう・・・。そうすれば、そのうち忘れてしまえる。)
メディカはそう大きく心の中で頷くと、隣りに置いた買い物袋を抱え、ベンチから立ち上がった。
「何よ、スクープって?」
「それがね、タブレ社の会長の孫娘が、あのカプセルコーポレーションの社長と結婚するんですって!今日、会長本人が定期検査に来て言ってたらしいわよ!」
「えっ、カプセルコーポレーションの社長って、あのカッコいい人でしょ?」
「そうなの?」
「そうよ、知らないの?たまに雑誌とかに載ってるわよ。それに、タブレの会長の孫娘って、最近テレビに出てる綺麗な子よね?」
「そうそう!」
「へぇ。美男美女の結婚かー。羨ましいわね。」
「それに、2人が結婚したらどっちの会社にもメリットがあるし、いいんじゃない。」
「でも、それって何だか政略結婚ぽくない?」
「でも、本人たちもお互い好きみたいよ。」
「そうなの?それならいいんじゃない。」
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隣りで交わされていた会話を、今も時々思い出す。
その度に胸が締め付けられ、苦しくなるこの症状は何時になったら完治するのだろうか。
久し振りに侵されたこの恋の病に効く薬は無いらしく、この2ヵ月ずっとこじらせたままだ。
(あの夜の事は、何かの間違いだ・・・!)
そう言い聞かせる催眠療法を続けてはいるが、なかなか効果を表してくれそうにない。
ただ、かろうじて仕事の時は症状を表さないでいてくれるので、やはりこの症状を治すのには「仕事」という治療法が一番効く様だ。
(当分は仕事のことだけ考えよう・・・。そうすれば、そのうち忘れてしまえる。)
メディカはそう大きく心の中で頷くと、隣りに置いた買い物袋を抱え、ベンチから立ち上がった。