ルルのことを聞いていたのだろう。車椅子を押す母親はトランクスの元へ来るなり頭を下げると、ルルのお礼を丁寧に述べ、そのまま車椅子を押して少女と共に病室へと戻って行った。

２人を見送った後

「お忙しいのに、修理をお願いしてしまってすみませんでした。」

いつもと同じ、申し訳なさそうな顔を向けてきたメディカに

「大丈夫ですよ。ロボットを直すことに関しては名医ですから。」

そう微笑むと

「ふふ！そうですね・・・。」

と言った後、少し間を置いて

「あの、さっきはすみません・・・恋人だなんて・・・。ホント、女の子ってマセてますよね。」

困った様に笑うメディカに

「えっ！？あ、ああ、そ、そうですね・・・！」

また動揺し、あたふたと答えながら、確かにこの友達でも恋人でもないあやふやで曖昧な関係は何と言えばいいのだろうかとモヤッとした。

いっそのこと、この関係に蹴りを付けようか・・・そう思っていると

「さてと・・・！それじゃあ私、仕事に戻ります。トランクスさんもそろそろ戻らないと、秘書さんに怒られちゃいますよ。」

意地悪っぽい笑顔を向けるメディカに

「あはは。そ、そうですね・・・。」

と乾いた笑みを浮かべると

「でも・・・逢えて嬉しかったです。」

そう微笑んだメディカに、トランクスの胸は見事に撃ち抜かれた。

その不意を付く台詞に言葉も出ず、ただ舞い上がるトランクスに

「舞空術で帰られるんですよね。目立たない様に気を付けて下さいね。」

メディカはそう言うと小さく笑うのだった。