西の都の上空へと来たトランクスだったが、ピタリと飛行を停止すると

「メディカさんの故郷って・・・どこだ・・・？」

と呟いた。

思い返せば、メディカの故郷の話しなど聞いたことはなく、彼女自身あまり自分のことを話そうとしなかった。

そして何より、メディカのことを知ろうとしていなかった自分自身にトランクスはショックを受けた。

彼女と食事をしている時、デートをしている時、一体何を話していたのか・・・。

思い出してみるも、自分のことばかりを話していた己の姿と、その話しに微笑み相槌を打つ彼女の姿しか浮かばない。

自分の事を知って欲しいという気持ちが強過ぎるあまり、彼女のことを知ろうとせず、おざなりしていたことに今更気付くと、トランクスは奥歯を噛んだ。

「メディカさん・・・！」

逢いたい彼女の名を口にし、シャツの胸ポケットに入れていた携帯電話を取り出し電話を掛けるも、やはり何度掛けても繋がらない。

「クソッ！」

険しい表情で四方を見渡すと、トランクスはメディカの気を探すことに意識を集中させた。

逢いたい―！

そう強く想えば思う程集中力が途切れそうになったが、トランクスは雑念を振り払う様に目をグッと閉じると、再び意識を集中させた。

しかし、集中力を高めたところでメディカの小さな気を特定することは出来ず、トランクスは肩を落とし再び四方を見渡すと、緩やかな山の稜線や他のエリアへと伸びるアスファルトの道を見据えた。

その、どれか先にいるメディカを想い

「どこなんだ、メディカさん・・・！」