気さくに話しかけてきたおばさんに

「こ、こんにちは・・・。覚えてくれてたんですね。」

ぎこちない笑みを向けると

「こんな男前忘れるわけないわよ！それに・・・あのカプセルコーポレーションの社長さんなんだから尚更よっ！！」

と、最後の方は小声でそう言うのだった。

そんなおばさんに、あはは。と愛想笑いを返すと

「あぁ、社長さんだっていうのはメディカ先生から聞いたんじゃないわよ。別の先生だけどね。でも、メディカ先生と知り合いだなんて驚いたんだから！」

そう言ってカラカラと笑う顔は次に

「で、こんなところで何してるんだい？」

と尋ねてきて、ギクリとした。

「えっ？あー・・・えーと・・・ちょっと、身体の調子が良くなくて・・・ははは・・・。」

しどろもどろになりながら答えると

「あら、そお・・・。まぁ、あんだけ大きい会社の社長さんだもんね。体調も悪くなるわよ。で、ちゃんと診てもらったの？」

「え、ええ。」

と、引き攣った笑顔で答えてから話しを逸らそうと

「あ、あの・・・ところで、今日はメディカさんはお休みなんですね。」

と思い切って尋ねると

「え？ああ、そうなのよ。メディカ先生は今日は休みでね、故郷の町に帰るって言ってたわよ。お母さんの亡くなった日が近いから、お墓参りなんですって。」

と、知りたかった情報が思わぬ早さで手に入り驚いた。

もしかしたら・・・と思い、この人に尋ねて良かったと心の中で激しくガッツポーズしながら

「そ、そうなんですか！いやー、来たついでに会えたらと思ったんですけど。」